今日の見出し(2019.2.12)

ポンぺオ米国務長官は11日、スィ―ヤールトー外相と会談後の記者会見で、米国は過去、中欧地域から疎遠になっていた。その間、『ライバル』がプレゼンスを高めた、と発言。暗にロシア、中国のことを指しました。

もっともその後、ロシアについては、「ハンガリーは、過去の歴史から、独裁的なロシアが、小国の自由や主権の友になることは決してないと知っているはずだ」と述べました。

また中国についても、「ハンガリーに橋頭堡(欧州への前進拠点)を作ろうとしている危険」について協議したとし、「北京が(事業契約成立で)握手するときは、時に、相手国を経済・政治の両方で後から借金漬けにするような紐もつけてくる」としました。Huaweiのリスクいついても言及。

一方、スィ―ヤールトー外相は、中国、ロシアと経済協力を進めることは、NATO加盟国としてのコミットメントをないがしろにすることではない、とこれまでの政府スタンスを強調。

7年前のヒラリー・クリントン国務長官(当時)のハンガリー訪問の際と大きく違うのは、当時は、長官側がハンガリーの民主主義後退ぶりを多くの面から批判したのに比べ、スィーヤールトー外相も、やっと「防衛」、「経済」に加え「政治」という3本めの柱でも良好な関係を進められると評価している点。これまでの米のお説教外交が転換されたという見方。

本日、科学アカデミー(MTA)建物前(ブダペスト市、鎖橋近く)では、学術の自由を訴える反政府デモが開かれています。 平日真昼間であるにもかかわらず、学生や野党一部も加わり、予想以上の参加者(最低数百人とされる)。建物を取り囲む「ヒューマンチェイン」は何周かになったとのこと。また、MTAに連帯して、ルーマニア・クルージュナポカなどでもデモ集会が開催。

現政権は、昨春の議会選挙で圧勝して以来、学術界も事実上、管理下に置こうと画策していると取られています。具体的には、MTA組織改編(所属研究機関をMTA本体からばらばらに切り離し、政府の管理下に。研究費は政府に申請することになることを提案)や、予算配分方法の大幅変更など。

オルバーン首相は、3月で任期満了となるマトルチ・ハンガリー国立銀行総裁の留任を、アーデル大統領に提案する旨決定。

Magyar Suzukiは11日、労使間の利益調整は、従来通り、労組ではなく「社内委員会」で行う考えを表明。労組発足直前に解雇されたと報じられる労組代表内定の従業員については、個人情報保護などを理由に情報開示なし。

Robert Bosch Elektronika では、2019年は14.5%の基本給引き上げ(工場ワーカー)を行うことで11日に正式に合意。事務職員は10%引き上げ。合意内容詳細は、表にまとめてあります。

本日の配信 

=内政・外交=
・ポンぺオ国務長官訪問: 中露の影響力拡大阻止などで協力求める
米国がこの地域から遠ざかっていたため、“ライバル”がプレゼンス増大
・ポンぺオ長官、NGOらとも会談
・欧州議会選挙、5月26日に  国境外ハンガリー系住民も投票可能に

=経済・金融・産業=
・オルバーン首相、マトルチ国立銀行総裁の留任を提案へ
・Magyar Suzuki: 労組は必要なし、「社内委員会」で
・Boschハトヴァン工場、賃上げ14.5%で正式合意
・メーサーロシュ氏傘下麦デンプン工場が開所 首相自ら式典に

=経済指標=
・消費者物価指数(1月) +2.7%  2か月連続3%未満
当サイトにご訪問いただき有難うございます。
すべての内容をご覧いただくにはご契約が必要となります。
詳細はこちらをご覧ください。