今日の見出し(2019.11.07)

ブダペスト市が大型公共事業一部を拒否、または躊躇していることから、デブレツェン市が誘致に名乗り出ました。

デブレツェン市は伝統的に与党Fideszの支持基盤が強いところ。パップ市長(Fidesz)は、ブダペスト市民公園で計画される「ハンガリーイノベーション館」と2023年世界陸上用の競技場建設を誘致する提案を同市議会に提出。議会も圧倒的多数で支持しました。

他にも、ブダペスト13区の「セント・イシュトヴァ―ン公園」での聖イシュトヴァ―ン像建立ももめているため、セーケシュフェヘールヴァール市の市長(Fidesz)が名乗り上げ。

ハンガリーからの欧州委員候補ヴァ―ルヘィ氏には、欧州近隣政策・拡大交渉担当が配分されることに。フォンデアライエン次期欧州委員長の報道官が確認。

ウクライナ国境に近い村などでは、2018年4月の国政選挙、先月の地方選挙で「投票ツーリズム」疑惑が報じられています。これは、近隣諸国のハンガリー系住民が、ハンガリー国内で住民登録を行い、選挙で投票するもの。実際には住んでいないため、投票日には国境を越えて何人もの人が来るためこのように呼ばれています。

これに関して、内務省は住民登録件数のデータ公表を拒んでおり、NGOから提訴されていました。控訴院は第1審を支持し、内務省にデータ公表を命じました。

ヴァルガ財務相 vs マトルチ中銀総裁。2人のライバル関係がここ数か月、表面化しています。ユーロを巡っても再び静かな火花が散りました。

欧州委員会は本日発表した秋季経済予測で、ハンガリーの2019年の成長率見通しは4.6%とし、前回予測(7月)の4.4%から上方修正。2020年、2021年については2.8%を予想。

ユーロ圏の成長率については、世界的な貿易摩擦や地政学的緊張、英国のEU離脱(ブレグジット)を要因に、今年と来年の成長率予想を下方修正した。(2019年は1.1%、2020年は1.2%に)

その他、EBRD(欧州復興開発銀行)、IMF(国際通貨基金)も見通しを発表。

=内政・外交=
・デブレツェン市、ブダペスト市拒否の大型公共事業受け入れ表明
・欧州委員候補ヴァ―ルヘィ氏、欧州近隣政策・拡大交渉担当に
・「投票ツーリズム」疑惑: 裁判所は内務省に住民登録データ公表を命じる
・与党のジュール市長候補、元ハンドボール選手も浮上
・グヤーシュ首相府相、自閉症団体に謝罪

=経済・金融・産業=
・ヴァルガ財務相、マトルチ総裁とユーロで異なる考え
・欧州委、ハンガリー成長率見通しを4.6%に引き上げ(秋季経済予測)
・EBRD、本年ハンガリー成長率見通し4.6%  春から大幅上方修正

=小話交差点=
カラーチョニ市長:くるまに乗るならEV

グリーンな街づくりを掲げるカラーチョニ・ブダペスト市長は、自転車で初登庁したり、王宮地区の首相官邸までBKVの公共バスに乗り向かったことが話題になっています。

一方、政権プロパガンダのとされるタブロイドRipostは昨日、「卑劣なパフォーマンス、市長はこのように嘘をついている!」と題した記事を掲載。自転車に乗ると言ったのに実際はバスに乗った、しかも朝は自宅から運転手付き車で市庁舎に向かっているとしました。この記事をもとに、他の政権寄りメディアも一斉に市長を「見せかけ」などと糾弾。

これに対して、市長は自身のFacebookで、市長になっても基本的には公共交通機関を使い出勤すること、可能な時には自転車に乗ること、必要なら自動車に乗ること、、と「すごいスキャンダルだね?」と皮肉たっぷりにコメント。

自動車については、自宅から市庁舎まで使っているか直接は言及しなかったものの、タルローシュ前市長の公用車は使わないとしました。そのうえで、必要な時は市が過去に調達していた、公用車の中では一番小さいEVにすると加えました。

また、市庁舎(ペスト側デアーク広場そば)から王宮までは「16番バス」が一番良い交通手段とし、スーツを着たまま自転車をこいで王宮の坂を上るのはやめておいた、としました。最後に、バス16番は、政府の人たちにもおススメ!と結びました。

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