スキャンダル暴露vs移民恐怖
ここのところ、毎日のように与党幹部のスキャンダルが明るみに出ています。中でも、昨日報じられたFidesz重鎮コ―シャ氏については、とんでもない額の「遺産」に絡む資金洗浄疑惑。実際に実現したわけではなく「未遂」だったようですが、あまりの額の大きさ(トランプ大統領の資産より大きい)と奇怪さに、本日も続々と新事実が報道されています。(なお、本日はコ―シャ氏54歳の誕生日)
その他、シェムイェーン副首相（連立与党KDNP党首）がスウェーデンで毎年、贅沢なトナカイ狩りをしていることが発覚。副首相は当初、「親戚を訪問するため」と言っていましたが、こうした狩りは1回につき2万ドルほどかかるとされ、それを支払っていたのはEU補助金利用の事業を受注しているハンガリー人実業家だったことが報じられています。
また昨日には、ハンガリー国立銀行のマトルチ総裁が住む豪邸についても報じられました。この家は、ブダペスト市2区の閑静な場所にあり、マトルチ氏の息子の会社が4.3億Ftで買い、マトルチ氏に「賃貸」しているという形。
こうした与党スキャンダルの連続暴露の裏側では、首相と決裂した実業家シミチカ氏が動いているとみられています。
一方で、国営メディア、政権寄りメディアは移民の恐怖を煽り立てるニュースをさらに増やしています。
しかし、政府に批判的なメディアは、その中には「フェイク」もあると指摘。
選挙に向けて、政権批判メディアは不正を暴露、政権寄りメディアは移民恐怖を喧伝、そしてお互いが「フェイクニュース」と罵りあう構造は続き、エスカレートしそうです。
（詳細は本日の配信をご覧ください。）
■15日の各党ら集会予定
明日の革命記念日には、国としてまず、9時から国旗掲揚（国会議事堂前コシュット広場）であります。アーデル大統領、クヴェール国会議長らが出席。14時からはオルバーン首相が演説。
また、ブダペスト市1区王宮地域では終日、ファミリー向けなどイベントが多く開催されます。
各政党は、例年通り集会を開催。本年は選挙を約3週間後に控えるため、特に力が入ります。
特に、与党シンパ市民団体による「平和行進」は全国各地からバスで支持者を集めかなりの規模になることが予測されます。ポーランドからも支援者訪問。（主催者「市民結束フォーラム：CÖF」は20万人を見込むとしています。 CÖFが発表する数字は、毎回、誇張気味ではありますが、選挙を前に最大限の動員を図っており、数万人にはなると考えられます。）
この団体は、国営電力会社MVMから5億Ftの寄付を受けていたことが明らかになっています。またFideszも今回は、正式に支持することを認めており、輸送費などは持つ見込み。（これまではFideszが組織したり資金援助したのではなく、あくまでも CÖFが自発的に行っていたとしてきた）
各党の予定は以下になります。市内中心部では車両通行制限がありますのでご注意ください。
●与党支持者らによる「平和行進」
11:30～ Bem József tér （2区） 集会の後、徒歩でマルギット橋を渡りペスト側へ、国会議事堂前（コシュット広場）へ
最後は、14時からのオルバーン首相の演説 （コシュット広場）を聞く。
主催は市民結束フォーラム（CÖF）
●社会党・対話・民主連合（DK）
15：00～17：00 Fővám Tér （9区）
首相候補カラーチョニ氏の演説など
●極右Jobbik
15：00～ Batthyány-örökmécses（5区、 Báthory utca ・ Hold utca交差点）
●新しい政治の形（LMP）
11:00～13：45
Benczúr Hotel （6区、 Benczúr utca）
●パロディ政党による対抗「平和行進」
12：00～ Oktogon （6区）
主催は「二股尻尾の犬の党」
●学生らによる近代的教育求めるデモ集会
17：00～ Opera （6区）
本日の配信
＝内政・外交＝
・与党スキャンダル： コ―シャ氏は超高額な遺産相続巡るミステリー
・国営テレビ局、アンチ移民盛り上げインタビューは虚偽？
スウェーデンで治安が悪すぎハンガリーに帰国した女性を巡り
・オルバーン首相のロシア接近（Direkt36） （2）
＝経済・金融・産業＝
・政府、サムライ債発行 300億円、利率0.37％
・スウェーデン系自動車内装Novus、新工場を完成
＝経済指標＝
・鉱工業生産(1月) 未調整値前年比+6.9%を確認（詳報） 自動車産業は+5.2％
・建設統計（1月） 完成工事高、前年比43.2％増
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