先週の主な動き
内政・社会・外交分野では、オルバーン首相がイスラエルを訪問。ネタニヤフ首相とは安全保障、テロとの戦い、国境管理、反ユダヤ主義などで考え方が一致していると述べた。ユダヤ差別は断固認めないと繰り返した他、嘆きの壁、ホロスコート博物館を訪問し、イスラエルとの関係強化を図った。◆欧州委員会はNGOの合法的な移民支援を事実上不可能とする「ストップ・ソロス法」で侵害手続きを開始。
失われる自由や自治 20日の通常国会最終日には、いくつかの法案が成立。一般市民が普通に生活している分には影響を感じづらいが、様々なところで自由や自治がまた一段縮小された。例として、政治家や家族のプライバシー保護強化。裏を返すと、私邸前でのデモが事実上不可能になるほか、政治家の私生活での豪遊ぶりを報じる行為も「ハラスメント」とされうることになる。違法流入者の直接的・間接的支援も刑法上の犯罪に。さらに2019年予算法では学術界最高峰の科学アカデミーへの直接補助金の大幅削減が決定。技術革新省を通した配分となり、政権上層部の意向を忖度したような研究には予算がつきやすくなるが、学問の自治が失われると懸念される。(政権寄りメディアは既に、同性愛者権利の研究者などを叩いている。)
経済面ではヴァルガ財務相が「1ユーロが305~315Ftだった時代は終わり」と発言。現在、フォリントは新たな落ち着きどころを探っている状態とした。◆2019年度予算法案、税制改正包括法案が国会で可決。「カフェテリア」に関しては、労働者・経営者側両方の反対にも関わらずほとんど廃止へ。政府は、「給与は本来現金で支給するもの」という考えを押し通した。◆政府は、2年連続で赤字営業となった小売業を廃業に追い込む規制を廃止する方針。欧州委員会による侵害手続きが理由。外資系チェーン叩きの1つの策だった。
経済指標では、賃金統計(5月)では、平均月給総額は約32.7万Ft。前年同月比10.9%と依然高いものの、増加率は若干鈍化。実質賃金上昇率(1-5月期)は9.7%と、これまでの二けた台の伸びを割り込んだ。
=内政・外交=
・ オルバーン首相: イスラエル ネタニヤフ首相とは考え方共有 テロや国境管理で
・ オルバーン氏のイスラエル訪問で小規模デモ
・ 国連「移民文書」、離脱を正式決定 12月署名せず
・ 欧州委、ストップ・ソロス法で侵害手続きを開始
・ 欧州委、その他5件でも侵害手続き開始
・ LMP倫理委、セール氏処分 3年間党首以外の役職なし
=短信 (内政・外交)=
・ 国会、政治家プライバシー保護で集会法を改正
・ ホームレス全面禁止、 罰金の代わりに奉仕労働
・ 国会、議員報酬の引き上げ案を可決 閣僚報酬も300~500万Ftに引上げ
・ 国会議事堂近くのナジ・イムレ像、移転へ 広場の再整備で
・ 国立病院の滞納金、計350億Ftに膨張
=経済・金融・産業=
・ ヴァルガ財務相: 1€=305~315Ftの時代は終焉 新たな落ち着きどころ探す
・ 国会、19年度税制改正パッケージ法案を可決 カフェテリア大半は廃止に
・ 国会、2019年度予算法案を可決
・ 政府、小売業の赤字営業規制を廃止へ 欧州委の侵害調査で
・ 政府、2019年から「近代的な村づくり」開始 1,350億Ft
・ 欧州委、エネルギー規制でハンガリーを提訴
・ EU新車乗用車登録台数(6月): 約160万台 前年比+0.8% 上期は+2.9%
・ 警察、倒産したバス製造Ikarus Egyediを詐欺罪の容疑で捜査
=短信(経済・金融・産業)=
・ ヴァルガ財務相、米テスラ本社で幹部と会談
・ 17年R&D支出、GDP1.35%に
・ 個人の借り入れ、過去最高に
=経済指標=
・ 被用者数・賃金調査 (5月) 給与総額 32.7万Ft 10.9%上昇
◆◆ 7、8月はニュースは週刊に、また特集(内政概況、経済概況、オルバーン政権経済政策、自動車産業)の配信になります。◆◆
当サイトにご訪問いただき有難うございます。
すべての内容をご覧いただくにはご契約が必要となります。
詳細はこちらをご覧ください。