先週の見出し(2019.07.22-07.28)

オルバーン首相が、ルーマニアの夏季大学で毎年恒例の基調講演。民主主義にはYes、リベラリズムにはNoと言ったことが、過去山積していた問題から立ち直り、経済的な安定につながったと主張。また、非リベラリズムこそが、キリスト教主義や国家の伝統を守るものと改めて述べました。

今年はさらに、フィンランドを牽制することも忘れず。同国が7月からEU議長国となり、EU条約7条下での対ハンガリー制裁プロセスが進むという懸念から。

フィンランド牽制は、まず政権プロパガンダメディアがいろいろと問題を指摘。その後、政府の報道官などが取り上げ、オルバーン首相自らも述べる、、という、いつもの攻撃パターンが見られます。フィンランド外相は、EU加盟国間の通常のやり取りとは思えないとし、「攻撃は最大の防御」とハンガリーの牽制ぶりについてコメント。

欧州委員会は、2018年6月に成立した「ストップ・ソロス法」の一部は欧州関連法規制に抵触するとし、欧州司法裁判所に提訴すると発表。国境付近での難民庇護申請者支援を犯罪とみなすことなどを問題にしています。政府は法廷で争う構え。

Microsoftハンガリー子会社と米親会社は、政府機関らへの販売で贈賄があったことを認め、米司法省と証券取引委員会(SEC)に制裁金を支払うことに合意。総額はおよそ2,500万ドル。この問題はハンガリーで訴追されたことはなく、検察庁は司法省から情報を求めるとのみしています。

汚職事件に関わったとされるハンガリー子会社の元社長や幹部は、その後投資促進庁や首相府省でポストを得ています。

大企業向けの法人税の暫定的前払い制度が24日付で廃止に。本年12月から、仮払いする必要がなくなりました。国会で関連法改正案が今月、成立したため。この簡素化は、景気下支えのための13項目のうちのひとつになっています。

=内政・外交=
 オルバーン首相: 民主主義にはYes, リベラリズムにはNo
 オルバーン首相、フォンデアライエン次期欧州委員長と8月1日に会談
 地方選挙、10月13日に 大統領が公示
 政府、EU議長国になったフィンランドを牽制
 欧州委、ハンガリーを提訴 「ストップ・ソロス法」で
 政府は欧州委と法廷で争う構え
 社会党国会議員、カナリア諸島移住で議会にも出席せず

=経済・金融・産業=

 Audi、410億Ftの追加投資を発表
 Microsoft、米司法省らと2500万ドル制裁金支払いに合意 ハンガリー国内贈賄事件で
 大企業向け法人税仮払い制度、廃止に
 韓国Bumchun Precision、シャルゴータルヤーン市に工場建設 EV用部品
 韓国斗山重工業グループ、EVバッテリー用銅箔工場の建設を開始
 個人客に人気の新車、トップ10 -1位はSuzuki S-Cross

=短信 経済・金融・産業=
 国立銀行、政策金利など据え置き
 Audiハンガリー、Q3新モデルの生産を近く開始
 米3DプリンタFormlabs、ソフト開発センターを設立
 4iG、再び大型受注 -ハンガリー国鉄など電子チケットシステム開発を受注
 Media Markt、Tescoジュール店舗内でもインショップ形式に
 元シミチカ氏のゼネコン、政権に近い実業家の手中に

=経済指標=
 企業・消費者信頼感指数(7月)   企業部門は7ヵ月連続後退 2年半ぶり最低

=小話交差点=
世界水泳、ハンガリーは金5つ 

第18回世界水泳選手権(韓国・光州、7月12~28日)で、ハンガリーは金メダル5つを獲得し、金メダル獲得数では世界5位となりました。銀、銅はなし。

金メダルのうち、4つは競泳、1つはオープンウォータースイミングでした。
獲得した選手、および種目は以下の通り。

● ホッスー・カティンカ (200Mおよび400M個人メドレー)
● カパシュ・ボグラールカ (200Mバタフライ)
● ミラーク・クリシュトーフ (200M バタフライ)
● ラショフスキ・クリシュトーフ(5Kオープンウォータースイミング)

【ホッスー選手】
ホッスー選手 (30) は、世界水泳で200、400M個人メドレーで4大会連続2冠という偉業達成。また、世界水泳での個人・金メダル数を9とし、歴代5位に浮上。
(歴代トップは、マイケル・フェルプスの15個、女性1位はケイティ・レデッキの11個)

ホッスー選手は400M個人メドレーの後、自らを振り返り、「これまでとは違うメンタルゾーンで泳いでいる。この(変化は)自分でもちょっと怖かったけど」とコメント。そして、次のように続けました。

「今回は、リオ(オリンピック)、ブダペスト(世界水泳2017)の時のような緊張感やアドレナリンがスタート前に湧いてこなくて、少し不安になった。勝つことへの執着心がそれほどなくなったのか?とまで自問した。でもこの状態を良い方に向けた。極めて冷静沈着に(スタート台へ)向かった。泳いでいる最中も、必要なら戦術、そして泳ぎ方も変えられるだけの余裕があった。まるで自分を外から見ているような、そんなレベルに到達した。これは自分にとって重要なこと」。

コーチも兼ねていたアメリカ人の夫トゥシュアップ氏と正式に離婚したのは昨年5月のこと。その前も含めると、この2年ほどは波乱の日々だったものの、新しいコーチの下、準備を進めてきました。この後、東京にすぐ飛び、8月2日~4日の競泳ワールドカップ(SWC)に出場します。

【ミラーク選手】
19歳の新星、ミラーク選手は水の怪物フェルペスが持っていた世界記録を破っての優勝。世界新に。

【その他】
水球ではメダルが期待されたものの、男女ともに3位決定戦に敗れ、4位になりました。

夏はニュースは週刊配信となっています。その他、特集を配信しております。詳しいスケジュールはこちらから。

当サイトにご訪問いただき有難うございます。
すべての内容をご覧いただくにはご契約が必要となります。
詳細はこちらをご覧ください。